不動産管理会社に勤めている維乃です。最近、「空き家問題」ってワードよく聞きませんか?不動産系のニュースを見ていると、「最近空き家が増えてるらしい…?」っていうのがなんとなく伝わってきます。
正直わたくしあまりピンと来ていませんでして。(笑)話を振られても「あ~!」みたいな分かってる風の相槌で流している現状…。
このままでは業務上信用に欠けますので、この機会にちゃんと調べてみました!私と同じ境遇の皆様のために共有させていただきます。
1. 空き家が増えているのは何故?
空き家が増えているのには、いくつかの大きな理由があります。
(1) 人口が減っている&高齢化が進んでいる
日本の人口は 2008年の1億2,808万人をピークに減少 しています。(2025年2月現在:1億2,354万人)それに加えて、若者の都市部への流入から、地方の実家がそのまま空き家になるケースが多くあります。
また、高齢化も影響しています。持ち主が 老人ホームに入ったり、亡くなった後に家がそのまま放置 されることがよくあります。
(2) 相続したけど…誰も住まない
親の家を相続したものの、自分はもう別のところに住んでいて住む予定がないというケースも多いです。売るにも手間がかかるし、リフォームして貸すのも大変…となると、結局放置してしまうことに。
しかも、相続した人が複数いると「誰が管理するの?」となり話がまとまらないこともよくあります。
(3) 売りたくても売れない
特に地方の家は買い手がつかないことが多いです。たとえ売れても安い価格になってしまうため、「それなら持っておこう」と考える人も少なくありません。
都市部でも、築年数が古い家はリフォームにお金がかかるため、なかなか売れないことがあります。
(4) 解体すると税金が高くなる?
空き家の固定資産税の問題もかなり大きいです。
現在、住宅が建っている土地には固定資産税の優遇措置があるため、家を取り壊して更地にすると税金が上がってしまいます。
そのため、「取り壊したいけど税金が高くなるのは困るから、そのままにしておこう…」という人も多いのです。
2. 空き家が増えるとどんな問題が起きるの?
空き家が増えると、持ち主だけでなく 周りの人や社会全体にも影響 が出ます。
(1) 防犯・防災のリスクが増える
誰も住んでいない家は老朽化が進み、地震や台風で倒壊するリスクがあります。また、不審者が住みついたり、ゴミが不法投棄されたり…。
更地の土地でも放置されていると、風が強い日に砂ぼこりが飛び散った結果、周辺宅の室外機を壊してしまったケースもありました。
「誰の家かわからない」「管理している人がいない」という状態が続くと、地域の安全が脅かされてしまいます。
(2) 景観が悪くなり、街の価値が下がる
ボロボロの空き家が増えると、街の景観が悪くなり、その地域に住みたいと思う人が減ってしまいます。
放置された空き家が多いエリアは不動産価値が下がり、結果的に街全体の活気が失われることにつながります。
(3) 自治体の負担が増える
放置された空き家が増えると、自治体は危険な建物の撤去や管理にかかる費用を負担しなければなりません。これは税金からまかなわれるため、結果的に住民の負担が増えることになります。
3. 解決に向けて今どんな対策が取られている?
空き家を減らすために、行政や企業、個人でさまざまな対策が取られています。
(1) 国や自治体の対策
2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、自治体が危険な空き家を「特定空家」として指定できるようになりました。特定空家に指定されると、固定資産税の優遇措置がなくなるため、持ち主が対応せざるを得なくなります。
また、2024年からは相続登記の義務化もスタートしました。これにより、「持ち主が分からない空き家」が減ることが期待されています。
(2) 空き家バンクを活用する
「空き家バンク」という制度をご存じでしょうか?
地方自治体が空き家の物件をデータベース化し、ホームページ上などで情報提供するシステムのことを言います。最近では行政が各自治体に設置を呼びかけています。
「空き家バンク」を使えば、空き家を売りたい・貸したい人と住みたい・利用したい人をマッチングすることができます。自治体運営で営利目的ではないため、資産価値が低くても掲載出来たり、補助金制度があったりします。
移住希望者や起業家に物件を安く提供できる、有効なシステムです。
(3) リノベーションして活用する
最近は 古い家をリノベーション して、新しい価値を生み出す動きも増えています。古民家カフェなどが少し前から話題になっていますよね。
- カフェやゲストハウスにする
- コワーキングスペースとして活用する
- 地域の交流拠点にする
補助金を活用すれば、リフォーム費用の一部を負担してもらえるケースもあるようです。
(4) 企業や投資家の参入
近年では、不動産テック企業や投資家が空き家をリノベーションして貸し出すビジネスに参入し始めています。自治体と協定を結び、IT技術を使ってオンラインで管理したり、民泊施設として活用するなど、新しいビジネスモデルも登場しています。
DX化が進む不動産業界において、空き家問題はむしろ事業開拓のチャンスなのかもしれません。
4. まとめ
以上が、調べていて分かった空き家問題の現状です。すでに色々な対策が取られているんですね。
少子高齢化が進み、この不景気もありますから、空き家問題はますます深刻になっていくと思われます。でも、放置せずに 適切に管理・活用 すれば、新しい価値を生み出すことができます。
「うちの実家、そろそろ空き家になりそう…」という方は、早め早めに活用方法を考えてみると思わぬ展望が開かれるかも?
今後空き家問題がどのようになっていくか、ニュースを要チェックですね!
当ブログではこういった用語解説のほか、不動産実務や賃貸での暮らしに役立つ情報を分かりやすくお届けしていきます!ぜひチェックしてみてください♪
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