不動産管理会社に勤める宅建士の維乃です。家を買うときにほとんどの人が利用するのが「住宅ローン」。その中でも、「フラット35」という名前を聞いたことがある人も多いのでは?
「他のローンと何が違うの?」「お得なの?」と疑問に思っている人も多いはず。今回は、フラット35について分かりやすく解説いたします! メリット・デメリットも含めて、どんな人に向いているのかもご参考になれば幸いです♪
住宅ローンはどんな種類があるの?
そもそも住宅ローンにはいくつかの種類があり、主に金利タイプと借入先によって分類されます。それぞれ違った特徴があるので、その中で自分に合ったローンを選ぶことが大切です。
📌金利タイプによる種類分け
- 固定金利型:返済期間中は金利が変わらないタイプです。高めの金利に設定されますが上昇リスクがなく、返済計画が立てやすい特徴があります。
- 変動金利型:半年ごとに適用する金利が見直されます。返済開始直後の金利は低めに設定されますが、将来的に総返済額が高くなるリスクがあります。
- 固定期間選択型:一定期間のみ金利が固定され、期間終了後は変動か固定か再度選択できます。比較的低金利で、支出が増えがちな購入直後に金利上昇のリスクを回避できます。
📌借入先による種類分け
- 民間金融機関:大手都市銀行や地方銀行、信用金庫による融資です。プランや審査基準も様々で、幅広い選択肢があります。
- 公的融資:国や自治体による融資です。生活困窮者のために、無利子又はかなりの低金利で借りられる場合があります。
- 民間と公的機関の連携:公的機関と民間銀行の提携により金融商品を提供します。フラット35はここに分類されます。
上記はかなり大まかな分別ですが、かなり幅広く選択肢があることが分かると思います。
フラット35ってどんなローン?
フラット35は、 「長期間、金利が固定される住宅ローン」 です。
上記まとめの【固定金利型】に該当し、フラット35は最長で35年 最初に決めた金利がずーっと変わらない という特徴があります。
このフラット35は、民間の金融機関と住宅金融支援機構(国が関わっている団体)が連携して提供しています。つまり、「民間と国がタッグを組んで提供している住宅ローン」ってことですね。
フラット35のメリット
① 金利がずっと固定! 得られる安心感
フラット35の最大のメリットは、 借りたときの金利がずっと変わらない ことです。
変動金利は、一定期間ごとに金利が変わる可能性があり、将来的に 「毎月の支払いが増えちゃうかも…」 という不安があります。でも、フラット35なら最初に決めた金利のままなので、 計画的に返済できます!
「将来の金利がどうなるか心配…」という人には、大きな安心材料になりますね。
② 自己資金が少なくても借りやすい
通常の住宅ローンでは、 自己資金を購入金額の2割以上用意しないと審査が通りにくい などがありますが、フラット35は 自己資金が少なくてもOK!
例えば、 「フラット35S」 というタイプは自己資金が少なくても、取得する住宅が優良住宅等の基準を満たせば金利が優遇されたりします。
貯金があまりなくても家を買いたい人には、ありがたいポイントですね。
③ 審査が通りやすい!
フラット35の審査は、 銀行の住宅ローンに比べるとハードルが低め です。
普通の銀行の住宅ローンは、 「職業」「年収」「勤続年数」「借金の有無」 など細かくチェックされますが、フラット35は 比較的審査がゆるめ。
「転職したばかりだけど家を買いたい…」
「フリーランス・個人事業主だから審査が不安…」
という人でも、フラット35なら通る可能性が高いです!
フラット35のデメリット
① 変動金利よりも最初の金利が高め
フラット35は 固定金利のため、最初の金利がちょっと高め に設定されています。
例えば、2024年の住宅ローン金利で見ると…
- フラット35(金利固定) → 1.5%くらい
- 銀行の変動金利 → 0.4%〜0.6%くらい
こんな感じで、最初はフラット35のほうが金利が高めです。
「今の金利が安いうちに借りておきたい!」という人には、変動金利のほうが魅力的に見えるかも。
② 繰り上げ返済にちょっと注意
住宅ローンでは、 「繰り上げ返済(早めに返すこと)」 をすると、利息の負担を減らせます。
でも、フラット35は 「返済のタイミング」によっては手数料がかかることもある ので、ちょっと注意が必要。
特に、「フラット35を提供している金融機関によって、繰り上げ返済のルールが違う」こともあるので、事前に確認しておいたほうが安心です!
③ 団体信用生命保険(団信)が必須じゃない
一般的な住宅ローンには、 団体信用生命保険(団信) という生命保険がセットになっています。
これは 「ローンを組んだ人が亡くなったり、重い病気になったときに、ローンがゼロになる保険」 です。
でも、フラット35は 団信に入るかどうかが自由 なので、自分で別の生命保険に入る必要があるかもしれません。
フラット35はこんな人におすすめ!
ここまでフラット35のメリット・デメリットを紹介しましたが、結局 どんな人に向いているのか? をまとめると…
✅ 「金利がずっと変わらない安心感がほしい!」
✅ 「自己資金が少なくても家を買いたい!」
✅ 「審査が不安…転職したばかり・フリーランスだけど借りたい!」
こんな人には、フラット35がぴったりです!
逆に…
❌ 「金利が安いうちにガンガン繰り上げ返済したい!」
❌ 「とにかく低金利で借りたい!」
❌ 「団信にしっかり加入したい!」
こんな人には、民間銀行の住宅ローン(特に変動金利)が向いているかもしれません。
まとめ:フラット35は安心感が魅力! でも人によっては別の選択肢もおすすめ
フラット35は 「長期間の金利が固定される安心感」 が魅力の住宅ローンです。
・「将来の金利がどうなるか分からなくて不安…」
・「貯金が少なくても家を買いたい!」
・「転職したばかりで、銀行の審査に通るか心配…」
という人にはぴったりですが、 金利を安く抑えたい人や繰り上げ返済を考えている人 には、変動金利のローンも選択肢に入れてみてもいいかも。
住宅ローンは 一度決めたら長い付き合いになる ので、自分に合ったものをじっくり選びましょう!
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