【重説作成】特別用途地区と特定用途制限地域ってどう違う?調査方法もご紹介!


不動産管理会社に勤める宅建士の維乃です。重要事項説明書をつくるのって大変ですよね!法令上の細かい制限がそれはもう沢山ありますから、調べててこんがらがってきちゃいます。

本記事では宅建でも勉強したけどいまいちピンとこない個人的代表格!「特別用途地区」「特定用途制限地域」の違いを解説しています。

役所の問い合わせ先もまとめてますので、重説作成の参考にしてみてください。

1. 都市計画においての位置づけ

都市計画において、土地の適切な利用を促進し、住環境の維持や発展を図るために、日本では用途地域制度が設けられています。「このエリアにはこういう建物を建ててOK」や「ここにはこの施設はNG」などといったルール決めですね。

その中でも「特別用途地区」と「特定用途制限地域」は名前が似てて、ついつい混同しがちです。

簡単に言うと、
✅「特別用途地区」→ もともとある「用途地域」のルールを細かく調整する制度
✅「特定用途制限地域」→「用途地域」が決まってない場所にルールを作る制度

というような定義付けになっています。用途地域の内か外か、の違いが大きいですね!


2. そもそも「用途地域」って何?

「用途地域」とは、都市計画法に基づき、土地の利用を定めることで、計画的なまちづくりを実現するための制度です。都市計画区域内において、建築物の種類や規模を制限し、適切な土地利用を促す役割を担っています。

「このエリアには何を建ててもOK」とすると無秩序になってしまうため、ルールを決めてるわけですね。ざっくり以下のように分かれています。

🏠住むのがメインのエリア(住居系)

  • 第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域(静かでのんびりした住宅街)
  • 第一種・第二種中高層住居専用地域(マンションOK)
  • 第一種・第二種住居地域、準住居地域(スーパーや小さい店舗もOK)

🏢ビジネス&お店がメインのエリア(商業系)

  • 近隣商業地域(住宅街の近くの商店街)
  • 商業地域(繁華街やオフィス街)

🏭工場メインのエリア(工業系)

  • 準工業地域(工場もOK、住宅もOKな)
  • 工業専用地域(住宅はNG)

ここにプラスして細かいルールを加えるのが「特別用途地区」、用途地域が決まってないエリアにルールを作るのが「特定用途制限地域」です。


3. 「特別用途地区」をざっくり解説!

特別用途地区のポイント

用途地域のルールをカスタマイズするもの
同じ用途地域内でも「このエリアだけは特別なルールを追加!」ができる
「この用途の建物はNG!」「この施設は誘導したい!」のような調整ができる

例えば、商業地域は基本的に何でも建てられますが、「学校の近くには風俗店NG」だとか、「観光地なので特定のデザインの建物だけOK」のように、細かい調整をするのが「特別用途地区」です。

具体例

  • 🏫 文教地区(東京都文京区)
    → 大学や学校が多いエリアで、教育環境を守るためにパチンコ店や風俗営業はNGです。
  • 🌳 風致地区(京都や奈良)
    → 景観を守るために、ビルの高さ制限や「伝統的なデザインにしてね!」のようなルールがあります。
  • 🏭 特別工業地区(江東区や八王子市)
    →通常の工業地域と違って、大気汚染や騒音が少ない工場しか建てられません。「食品工場や印刷工場はOK、鉄鋼や化学工場のような公害の恐れがある工場はNG!」といったルールがあります。

調査方法

「○○市 特別用途地区」と検索をすれば、対象の市区町村が発表している情報がヒットするはずです。公式HPで都市計画情報を電子マップで閲覧できる場合もあります。

役所に問い合わせる場合は、「都市計画課」や「都市整備部」など、用途地域や街づくりを担当している部署に電話をすれば、明確な回答が得られます。


4. 「特定用途制限地域」をざっくり解説!

特定用途制限地域のポイント

用途地域が決まってないエリアで、特定の用途だけ制限する
「このエリアにパチンコ店は建てられません!」のようにピンポイントなルールを設定
田舎や郊外の都市計画区域外でもルールを作れる

たとえば用途地域が決まってない田舎の郊外で、静かな住宅地にいきなり巨大な工場ができてしまったら困りますよね?そんな時に「この地域にはこういう施設は建てられません!」といったルールを作るのが「特定用途制限地域」です。

具体例

  • 🏡 住宅エリアの保護(地方都市の郊外)
    居住環境保護のため、工場や風俗営業などはNG!
  • 🏭 工業特化(山口県光市)
    → 工業を中心とするエリアなので、住宅をはじめ人が集まる建物は建てられません。

調査方法

調べたい物件の市区町村に特定用途制限地域があれば、「○○市 特定用途制限地域」で検索をすればヒットします。国土交通省が全国の特定用途制限地域の一覧を出していますので、そちらも大変参考になります。

役所への問い合わせなら、特別用途地区と同様、用途地域や街づくりを担当している部署が対応をしてくれます。


6. まとめ

👉 「特別用途地区」→ 既にある用途地域にプラスで細かいルールを追加する
👉 「特定用途制限地域」→ 用途地域がないエリアにも最低限のルールを設定する

どちらも「地域の環境保全」という目的は同じですが、
✅ すでに用途地域が決まってるエリアの調整 → 特別用途地区
✅ 用途地域がないエリアにルールを作る → 特定用途制限地域
といった違いがあります。

日常生活で使わない単語なので、久々に見ると「これなんだっけ?!」と私はドキドキしがちです。笑どういうものかイメージが出来てると焦らず向き合えますね◎


当ブログではこういった用語解説のほか、不動産実務や賃貸での暮らしに役立つ情報を分かりやすくお届けしていきます!ぜひチェックしてみてください♪

コメント

タイトルとURLをコピーしました